慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎臓の働き(老廃物を尿として排出する機能)が徐々に低下する、または尿の中にタンパク質が漏れ出る状態(蛋白尿・微量アルブミン尿)が3ヶ月以上続く病気の総称です。日本の成人の約8人に1人(約1,480万人)がCKDに該当するといわれ、新たな国民病ともいわれています。岐阜市中鶉のなかうずらクリニックでは、循環器専門医が心臓・血管への影響もあわせて腎機能の管理にあたっています。
自覚症状がないまま進行する「静かな病気」
腎臓はかなり機能が低下するまで、痛みなどの自覚症状がほとんど現れません。「むくみ」「強い倦怠感」「貧血」「夜間尿」といった症状が出た時には、すでに人工透析が必要な段階まで進行しているケースも少なくありません。
腎臓と心臓の深い関わり(心腎連関)
当院院長は、岐阜県総合医療センターや小倉記念病院をはじめとする循環器・血管治療の現場で、心血管疾患や大動脈・末梢血管の診療に携わってまいりました。
腎臓は、細い毛細血管の網目(糸球体)で満たされた、いわば血管の塊のような臓器です。高血圧、糖尿病、脂質異常症などによって全身の血管が傷むと、腎臓もその影響を受けやすい臓器のひとつです。
さらに、腎臓の機能が低下すると心筋梗塞や心不全のリスクが上昇し、心臓の機能が低下するとさらに腎機能が悪化するという相互の関係(心腎連関)が知られています。当院では慢性腎臓病を腎臓だけの問題としてではなく、全身の血管や心臓の状態とあわせて診ていくことを心がけています。
当院での検査・評価体制|「eGFRの変化率(推移)」を追う
1回ごとの検査数値だけでなく、時間の経過とともに腎機能がどのようなスピードで変化しているかを重視しています。
- eGFR(推算糸球体ろ過量)の変化率・推移の管理:1回限りの数字だけでなく、過去のデータと比較した変化の傾き(低下スピード)を継続して確認します。低下のペースが速い方を早期に見つけ、治療方針の見直しにつなげます
- 尿検査(尿蛋白・微量アルブミン尿定量):腎臓のフィルター(糸球体)の状態を確認します。特に糖尿病のある方の微量アルブミン尿は重要な指標です
- 血液検査(クレアチニン・eGFR・シスタチンC・電解質):現在の腎臓のろ過能力を数値化して評価します
- 血圧・血管年齢・心機能評価:動脈硬化度(ABI/CAVI)や心エコー検査を行い、心臓・血管への影響もあわせて確認します
当院の治療・腎保護アプローチ
低下した腎臓の組織を元どおりに戻すことは容易ではありません。しかし、早い段階で変化率をとらえて対応すれば、進行を緩やかにし、人工透析への移行を遅らせられる場合があります。
1. 血圧・血糖のコントロール
腎臓の血管への負担を減らすため、RAS阻害薬(ARB/ACE阻害薬)を中心とした「腎保護効果のある降圧薬」を用いた血圧管理を行います。糖尿病のある方は、あわせて血糖コントロールにも取り組みます。
2. 腎保護効果が期待できるお薬の活用
近年、「SGLT2阻害薬」など、糖尿病の有無にかかわらずeGFRの低下スピードを抑える効果が報告されているお薬が使えるようになっています。状態に応じて、効果と安全性を踏まえた薬剤を選択します。
3. 食事指導(減塩療法)と高度医療機関との連携
腎臓の負担を減らす基本は「減塩(1日6g未満)」です。生活スタイルに合わせて、続けられる範囲でのアドバイスを行います。専門的な栄養指導が必要な場合や、腎不全が進行し透析の検討が必要な段階に入った場合は、腎臓内科・基幹病院と連携してご紹介します。
慢性腎臓病(CKD)についてよくあるご質問
健診でeGFRが低いと言われましたが、症状はありません。受診は必要ですか?
受診をおすすめします。腎臓は自覚症状が出にくい臓器で、症状が出た時にはかなり進行していることがあります。当院では血液・尿検査に加えて、これまでのeGFRの推移(変化率)を確認したうえで、治療が必要かどうかを判断します。
尿蛋白や微量アルブミン尿を指摘されました。何を意味しますか?
腎臓のフィルター(糸球体)にごく初期の障害が起きているサインです。糖尿病や高血圧のある方では特に重要な指標で、放置すると腎機能の低下につながることがあるため、早めの評価をおすすめします。
CKDと診断されたら、必ず人工透析になりますか?
そうとは限りません。早い段階で血圧・血糖のコントロールや生活習慣の改善に取り組むことで、進行を緩やかにできる場合があります。当院では定期的な検査でeGFRの変化を確認しながら治療方針を調整します。
減塩はどのくらいを目標にすればよいですか?
1日6g未満が目標です。汁物を1日1杯までにする、麺類の汁を残す、しょうゆやソースはかけずに小皿でつける、加工食品や漬物を控えるなど、続けやすいところから始めていただきます。
血圧の薬(ARB・ACE阻害薬)は腎臓に負担ではないのですか?
ARB・ACE阻害薬は腎臓の血管への負担を減らし、蛋白尿を減らす効果が期待できる薬です。開始時や体調不良時には腎機能や電解質の値を確認しながら、必要に応じて用量を調整します。
糖尿病がなくてもSGLT2阻害薬を使うことはありますか?
あります。SGLT2阻害薬は糖尿病の有無にかかわらず腎機能の低下スピードを抑える効果が報告されており、状態に応じて使用を検討します。
岐阜市中鶉で腎機能が気になる方へ
なかうずらクリニック(岐阜県岐阜市中鶉7丁目72-1)は、内科・循環器内科・呼吸器内科・小児科と歯科を併設し、専用駐車場をご用意しています。内科の診療は月・火・水・金・土曜の9:00〜12:00と16:30〜19:30(受付は午前11:40、午後19:10まで)、休診日は木曜・日曜・祝日です。詳しくは診療時間・アクセスのページをご覧ください。
健診でeGFRや尿蛋白を指摘された、他院で腎臓病といわれた治療を続けたいなど、腎機能のご相談は当院(内科 058-277-7757)へお気軽にお問い合わせください。