心臓の中には、血液の流れを一定に保ち逆流を防ぐための4つの「弁」(大動脈弁・僧帽弁・三尖弁・肺動脈弁)があります。心臓弁膜症とは、これらの弁が加齢や感染症、動脈硬化などによって正常に働かなくなる病気です。岐阜市中鶉のなかうずらクリニックでは、循環器専門医が心エコーによる評価と経過観察にあたっています。
弁膜症の2つのタイプ
- 狭窄症(きょうさくしょう):弁が硬くなって開きにくくなり、血液が通りにくくなる状態です(例:大動脈弁狭窄症)
- 閉鎖不全症(へいさふぜんしょう):弁がしっかり閉じず、血液が逆流してしまう状態です(例:僧帽弁閉鎖不全症)
近年は高齢化に伴い、大動脈弁狭窄症の方が増えています。初期は自覚症状が乏しい一方、進行すると心不全や失神を起こすことがあります。
このような症状はありませんか
- 坂道や階段を上るときに息切れがする
- 以前より動悸(胸のドキドキ)を感じやすくなった
- 体が重く、疲れやすくなった
- 足や顔のむくみが気になる
- めまい、立ちくらみ、失神を起こしたことがある
「年齢のせい」と見過ごされやすい症状です。健診などで心雑音を指摘された方も含め、当院(内科 058-277-7757)へご相談ください。
TAVI・弁膜症治療の現場に携わってきた経験から
当院院長はこれまで、岐阜県総合医療センターや小倉記念病院などで、重症の弁膜症に対するTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)や、外科的な弁置換術・弁形成術を受けられる患者様の診療・術前術後の管理に携わってまいりました(経カテーテル大動脈弁置換術認定制度 指導医)。
1. 心雑音や初期の変化を見逃さない診察
弁膜症の早期発見には、聴診による心雑音の聴取と心臓超音波検査(心エコー)が欠かせません。当院では心臓のポンプ機能、弁の開き具合、逆流の程度を評価します。
2. 治療のタイミングの見極め
弁膜症は、薬物療法で経過をみる時期と、カテーテル治療(TAVI)や外科手術(弁置換術・弁形成術)を検討すべき時期の見極めが重要です。症状と心エコーの所見をもとに判断し、時期を逃さず基幹病院へご紹介します。
3. TAVI・弁置換術後のかかりつけ管理
すでに基幹病院でTAVIや弁置換術(機械弁・生体弁)を受けられた患者様の、術後の定期的な経過観察と抗凝固療法(ワルファリンやDOACの調整、PT-INRの管理)を当院で継続して行います。
当院での検査
- 心臓超音波検査(心エコー):弁の形と動き、逆流・狭窄の程度、心臓のポンプ機能をリアルタイムに評価します
- 標準12誘導心電図:弁膜症に伴う不整脈(心房細動など)や心肥大の有無を確認します
- 胸部X線(レントゲン)検査:心拡大や肺のうっ血の有無を評価します
- 血液検査(BNP / NT-proBNP):心臓への負担の程度を数値で確認します
当院の治療方針と連携体制
1. 薬物療法(症状の緩和と心不全への移行予防)
軽症〜中等症の段階では、心臓の負担を減らす利尿薬や降圧薬などを用い、心不全への移行を防ぎます。あわせて高血圧など危険因子の管理を行います。
2. 基幹病院(TAVI実施施設・心臓血管外科)との連携
TAVIや人工弁置換術・弁形成術が必要と判断した場合は、岐阜県総合医療センターをはじめとする地域の基幹病院・専門医療機関へご紹介します。
3. 術後の管理(抗凝固療法・感染性心内膜炎の予防)
- 抗凝固療法の管理:機械弁を留置された方のワルファリンの用量調整(PT-INRの確認)や、TAVI術後の抗血小板薬・抗凝固薬の管理を行います
- 感染性心内膜炎の予防:人工弁のある方は、歯科治療などをきっかけに細菌が心臓の弁に付着することがあります。必要な場合の予防的な抗菌薬の使用と、日ごろの口腔ケアについてご案内します(当院は歯科を併設しています)
心臓弁膜症についてよくあるご質問
健診で心雑音を指摘されました。受診したほうがよいですか?
受診をおすすめします。心雑音は弁膜症で聞かれることがありますが、聴診だけでは程度が分かりません。心エコーで弁の状態と心臓の働きを確認すれば、経過観察でよいのか治療が必要なのかを判断できます。
心エコー検査は痛みますか。時間はどれくらいですか?
胸にゼリーを塗って超音波の器械を当てるだけで、痛みも被ばくもありません。検査時間は20分前後です。
症状がない弁膜症でも、通院が必要ですか?
必要です。弁膜症は年単位でゆっくり進行し、症状が出たときにはすでに手術を考える段階のこともあります。程度に応じて半年〜1年ごとの心エコーで経過を確認します。
TAVIや弁置換術を受けました。当院で経過を診てもらえますか?
承ります。術後の診察、心エコーによる経過観察、抗凝固薬・抗血小板薬の管理(機械弁の方はPT-INRの確認)を継続して行います。手術を受けられた医療機関とも連携します。
ワルファリンを飲んでいます。食事で気をつけることはありますか?
納豆、クロレラ、青汁はワルファリンの効きを弱めるため避けていただきます。緑黄色野菜は極端に大量でなければ問題ありません。他の薬やサプリメントとの飲み合わせもありますので、お薬手帳をお持ちください。
歯の治療を受けるときに注意することはありますか?
人工弁のある方や過去に感染性心内膜炎になった方は、歯科治療の前に予防的な抗菌薬が必要になる場合があります。歯科を受診される際は心臓の治療歴をお伝えください。当院は歯科を併設しており、内科と連携して対応できます。
岐阜市中鶉で息切れ・動悸・心雑音が気になる方へ
なかうずらクリニック(岐阜県岐阜市中鶉7丁目72-1)は、内科・循環器内科・呼吸器内科・小児科と歯科を併設し、専用駐車場をご用意しています。内科の診療は月・火・水・金・土曜の9:00〜12:00と16:30〜19:30(受付は午前11:40、午後19:10まで)、休診日は木曜・日曜・祝日です。詳しくは診療時間・アクセスのページをご覧ください。
心雑音を指摘された方、坂道や階段で息切れするようになった方、弁膜症の手術後の管理をご希望の方は、当院(内科 058-277-7757)へご相談ください。