台風が近づいたり、朝晩の空気がひんやりしてきたりと、天候が目まぐるしく変わる時期になりました。このような季節の変わり目は、気管支喘息の発作が増えやすい時期だとされています。「風邪は治ったはずなのに咳だけ続く」「夜になると息苦しくて目が覚める」——そんな症状に心当たりのある方は、この機会に一度ご確認ください。
秋に喘息発作が増えるのはなぜか
気管支喘息は、空気の通り道である気管支に慢性的な炎症が起きていて、ちょっとした刺激にも敏感に反応してしまう状態です。気温や気圧の変化、冷たい空気、台風前後の湿度の変動などは、その代表的な刺激のひとつです。もともと喘息と診断されている方はもちろん、これまで症状が出ていなかった方でも、季節の変わり目をきっかけに咳や息苦しさが強く出ることがあります。
小児喘息はアレルギーが関係していることが多く、成長とともに落ち着く方もいますが、大人になっても症状が続いたり、久しぶりにぶり返したりすることもあります。一方で成人になってから初めて発症する方も少なくなく、風邪をきっかけに、あるいは特に心当たりがないまま咳が長引くケースもあります。「喘息は子どもの病気」というイメージだけで判断せず、大人の咳が長引く場合にも念頭に置いていただきたい病気です。
「咳喘息」と「気管支喘息」の違い(セルフチェック)
次のような症状に心当たりはありませんか。
- 風邪は治ったのに、咳だけが2週間以上続いている
- 夜間や明け方に咳き込んだり、息苦しくて目が覚める
- 呼吸のときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする
- 季節の変わり目や冷たい空気に触れると咳き込む
このうち、ゼーゼーという音を伴わず「空咳」だけが続くタイプは「咳喘息」と呼ばれ、気管支喘息の前段階とされています。ただの風邪の治り残りと見過ごされがちですが、適切な治療をせずに放置すると、一部の方(目安として3人に1人程度)が本格的な気管支喘息へ移行するとも言われています。咳止めを飲んでも効かない長引く咳は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
当院でできる検査
診察では、まず症状の経過や喘鳴の有無、これまでの喘息の既往などを丁寧にお伺いします。そのうえで、必要に応じて次のような検査を行います。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー): 息を思いきり吸って吐き出していただき、気道がどの程度狭くなっているかを数値で確認します。
- 胸部レントゲン・CT検査: 院内で撮影が可能です。咳の原因が喘息以外(肺炎や副鼻腔炎など)でないかもあわせて確認します。
- 血液検査: アレルギーの関与が疑われる場合は、花粉やハウスダストなど複数の項目を一度に調べることもできます。
治療の選択肢
喘息・咳喘息の治療は、内服薬や吸入薬が中心です。吸入薬は気管支に直接届くため、少ない量で効果を得やすいという特徴があります。初めて吸入薬を使う方には、スタッフが実物を使って吸い方をご説明しますので、うまく吸えているか不安な場合は受診のたびにご確認ください。症状が重い場合には、注射薬による治療を検討することもあります。
受診の目安
以下のような場合は、早めのご相談をおすすめします。
- 咳が2週間以上続いている
- 夜間や明け方に咳や息苦しさで目が覚めることが増えた
- 過去に喘息と言われたことがあり、症状がぶり返してきた
一方で、会話が続けられないほど息が苦しい、唇や指先の色が悪い、横になれないといった場合は、様子を見ずにすぐお電話ください。当院の内科は予約なしでも受診いただけますが、予約の方を優先してご案内しているためお待ちいただくことがあります。事前のWeb問診もご利用いただけますので、来院前のご準備にお役立てください。